登場人物の中心は、公海上で略奪行為をするという運命的な選択をした海賊たちである。財宝を求めて商船を生贄にするという、危険で時には命をも賭けたゲームをプレイする海のギャンブラーたちを描いている。
ほとんどの海賊は大きな経済的成功を得ておらず、多くの場合、暴力的な死によってその短いキャリアを終えている。しかし、必ずしもそういった例ばかりではない。何人か、特に1700年以前に植民地を拠点として活動した海賊のなかには、富を手に引退することができた者もいた。
海賊の歴史は同時に政治的な陰謀の物語でもある。1600年代、多くの植民地は、海賊の行為が英国の法に違反していたにもかかわらず、海賊を熱心に奨励し、支援していた。そういった植民地にとって、海賊は危険な略奪者ではなく、商売上の後援者であり、友であり、家族であった。
かつては多くの入植者や政府関係者から好意的に見られていた海賊も、次第に貿易に深刻な脅威を与える敵として見られるようになった。英国は、1720年代半ばまでに、法的・政治的・軍事的な手段を組み合わせることによって海賊を事実上撲滅したのだった。
本書で描かれるアメリカの海賊の真の物語は、これまでに書籍や映画で描かれた想像上の海賊の冒険よりも、さらに驚異に満ち、魅力的なのである。
1961年アメリカ生まれ。ブラウン大学では生物学と環境研究を専攻後、エール大学で環境管理研究の修士号を、マサチューセッツ工科大学で環境政策計画研究の博士号を取得。アメリカ環境保護庁勤務、環境コンサルタントの後、アメリカ海洋大気庁海洋漁業局の漁業政策分析官として活動。
著書に『クジラとアメリカ-アメリカ捕鯨全史』(原書房)がある。同書は、ロサンゼルス・タイムズ、ボストン・グローブ、プロビデンス・ジャーナルの各紙で2007年のベスト・ノンフィクション・ブックに選ばれ、2007年のジョン・ライマン賞(海事史部門)も受賞。また、『Fur, Fortune, and Empire:The Epic History of the Fur Trade in America』はシアトル・タイムズの2010年ベスト・ノンフィクションに選ばれ、ニューイングランド歴史協会によるジェームズ・P・ハンラン・ブック・アワードも受賞。ほかにも『When America First Met China:An Exotic History of Tea, Drugs, and Money in the Age of Sail』は、カーカス・レビューで2012年のベストノンフィクション100冊に選ばれ、Beacons: A History of the American Lighthouse』は、gCaptainおよびClassic Boat誌で2016年の最も優れた航海書の1冊に選ばれている。
現在は、マサチューセッツ州マーブルヘッドに家族と一緒に住んでいる。
原題:Black Flags, Blue Waters: The Epic History of America's Most Notorious Pirates
序 章 第一章 小さな始まり 第二章 もろ手を挙げた歓迎 第三章 “石や砂のように豊富に金(かね)のあるところ” 第四章 取り締まり 第五章 戦争による刑の猶予 第六章 幕あいまたは海賊の分類 第七章 財宝と騒動 第八章 海賊紳士と黒ひげ 第九章 退場 エピローグ ヨー、ホッ、ホー、酒はラムがただ一本 |
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