テーマを絞れば、非常に多岐にわたる制度のなかから枝葉末節と思われる部分をできるだけ省き、より大切なところを重点的かつ実践的に説明できます。そこでこのノウハウを体系化して本にまとめれば、多くの個人投資家に喜んでもらえるのではないかと考えました。これが本書を執筆した一番の理由です。
世界中のどこでも安価で瞬時にお金を送金できる手段として注目された「仮想通貨」が、いつの間にか巨額の資金が集まる投機市場へと変貌してしまいました。価格が不安定である以上、それは致し方ないことかもしれません。仮想通貨市場が巨大市場となったがために、国家を超越した自由さが魅力だった仮想通貨に、国家の規制が必要になってくるのも、また自然なことなのでしょう。投機を抑えるために証拠金取引のレバレッジを規制したり、証拠金取引自体を禁止すべきだという意見も、個人投資家保護のためには必要なのかもしれません。仮想通貨技術を使った資金調達手段であるICO(Initial Coin Offering イニシャル・コイン・オファリング)も個人投資家にとって、ハイリスク・ハイリターンであることは否定できません。
さらに、重要なことは、仮想通貨そのものに絶対的な価値はなく、将来無価値となる可能性もある以上、筆者としては、ICOも含めた仮想通貨トレードで獲得した利益は、法人をうまく活用して速やかに、株式や不動産などのリアルな投資資産に置き換えていってもらいたいというのが、本書を執筆したもう一つの理由です。
監査法人トーマツを経て、平成2年独立開業。中小企業の良き相談相手として、主に税理士業務を中心に活動する。元々独立を考えていなかったことが災いして? あるいは、シャイな性格のため? 開業当初は新規顧客の開拓には大いに苦労する。開業後は、インターネットの活用に積極的に取り組み、インターネット経由で顧客を獲得する手法を早くから実践。「税理士」サイトのほかに、「FX法人化・会社設立応援団」サイトを開設し、会社設立とその後の税務顧問を一括して引き受けるという顧客獲得手法を見出す。最近は、新規顧客獲得の多くがネット経由という状況になり、ようやく時代が追いついてきたという感じ。常に一歩先を行く先進的経営を追求する会計事務所でありたいと考えている。
システムエンジニアとしてシステム開発に従事したあと会計・税理士業界へ。平成17年に税理士資格を取得。お客様と同じ“歩幅”で歩む税理士でありたいという思いから、平成23年税理士法人ほはばを設立、代表社員に就任。システムエンジニアの経験を生かし、ITを駆使した事務所運営で規模拡大を図る。日頃から税務関係にとどまらず広く世情にアンテナをはり、講師として勉強会を開催。不動産投資から株式、FX など、自身も投資に取り組むことにより各分野の投資経験と税務の専門知識を融合してお客様にとって最適な提案を行っている。平成29年からは仮想通貨投資家の税務をサポート、鞍手町に開設した日本初のブロックチェーンビレッジの設立に関与。これまでサポートした多く方からの要望により本書を執筆。
(現代の錬金術師シリーズ147)
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