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ゴミ投資家のための人生設計入門[借金編]
海外投資を楽しむ会
メディアワークス
A5判 263頁 2001年7月発売
本体 1,600円 税込 1,760円
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* 本書は2004年に文庫判として復刻しました。
ベストセラー『人生設計入門』第2弾 借金から人生が見えてくる!!
住宅ローン、教育ローンから消費者金融まで、個人のファイナンスを徹底研究!
ファイナンス=資金調達の視点から、個人の人生設計を考える。
よい借金とは何か? 不動産は買うべきか?
もっとも有利な個人の資金調達方法は何か?
すべての疑問に答える画期的「借金の本」
INTRODUCTION ――素晴らしき人生のための借金
本書は「ゴミ投資家」シリーズ『人生設計入門』の続編で、人生におけるファイナンスをテーマにしています。
ファイナンス(Finance)には、「財政」とか「金融」以外に、「資金調達」という意味もあります。それを本書では、「借金」というわかりやすい日本語で表現しています。
ところで、金融に詳しい方はご存じだと思いますが、「ファイナンス」と「借金」はちょっと違います。企業が行なうエクイティ・ファイナンスEquity Finance(株式発行による資金調達)は会社の所有権(議決権や配当を受ける権利)の販売であり、集めたお金を返済する必要はありませんから、社債の発行や銀行からの融資と違って「借金Debt」とは言えません。さらに広義の「ファイナンス」は、調達した資金を投資・運用したり、返済・配当したりすることまで含めた資金(キャッシュフロー)管理全体を意味します(というか、こちらが「ファイナンス」の本来の定義です)。
もちろん、お金はただ借りればいいというものではありませんから、本書のテーマも、人生設計における個人の資産運用・資金管理としてのファイナンスということになります。ではなぜ、『ゴミ投資家のためのファイナンス入門』とカッコいいタイトルにせずに、『借金編』などというドロ臭い名前にしているかというと、「ファイナンスと言おうが、資金調達と言おうが、しょせん借金は借金」ということを強調したいからです。
ところで、借金に対する日本人の一般的な態度は、「借金は悪だ」というものでしょう。実は、これはこれで立派なひとつの見識で、いっさい、借金をせずに人生を送ってもなんの問題もありません。一方、冷戦終焉後(1990年代以降)、空前の好景気に沸いたアメリカでは、「人生にとっていちばん大切なのは日々を悔いなく楽しく生きることだ」という現実肯定の気分が蔓延し、いつのまにか「みんなで借金して幸福を買おう!」という社会になっています。戦後日本の価値観はアメリカを基準にしているので、たぶん数年もすれば、日本でも「借金で幸福を買う」ことがなんの抵抗もなく行なわれるようになるでしょう。
日本という国の不思議のひとつは、「借金=悪」と頑なに信じ込んでいる人の多くが、なぜか、何千万円もの住宅ローンを借りて家を買っていることです。住宅ローンこそが、日本において、個人が背負う最大の借金であるにもかかわらず、なぜ誰もが嬉々として自ら借金漬けになろうとするのでしょうか? 本書では、『人生設計入門』に続いて、別の視点からこの問題を検討しています。
ところで、ちょっとだけ賢明な人は、「借金=悪」とは考えません。「もしそうなら、なぜ金融業が存在するのだろう?」という疑問に答えられないからです。金融機関から借金をする人や企業は、覚醒剤中毒者のように、麻薬の虜になって悪の道から逃れられなくなってしまったのでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。人や企業が借金(ファイナンス)をするのは、自分たちの収益や資産を増やすエンジンをパワーアップするためです。こうした借金によるパワーアップ機能を「レバレッジLeverage」と言いますが、このブースター(加速器)を有効に使うと、短期間に収益や資産を2倍、3倍に増やすことも不可能ではありません。本書ではこのように、人生の経済的な目的(ゴール)である資産形成により早く到達するための道具として、借金(ファイナンス)を考えていきます。
もちろん読者の中には、「オレは絶対に借金はしない」と心に固く誓った人もいらっしゃるでしょうが、そのような人でも、借金の仕組みを知っておくことはとても大切です。なぜなら「借金(融資)」にこそ、金融という摩訶不思議なシステムの秘密がいっぱい詰まっているからです。
どんなに素晴らしい製品を開発しても、財務がダメな会社はすぐに倒産してしまいます。同様に、これからの私たちの人生も、借金=ファイナンスの視点がなければ、簡単に破綻してしまうでしょう。
それではいよいよ、資本主義の粋を集めた魅惑の「借金ワールド」への扉を開けることにしましょう。
海外投資を楽しむ会
目次
素晴らしき人生のための借金
第1章 サラリーマンのための「自由」の思想
1. サラリーマンは奴隷であるが、だからこそおいしい思いもできる。
2. サラリーマンは年金と健康保険で略奪される。
3. 国家による社会保障はいらない。所得税は人権侵害である。
第2章 借金をする前に読んでください「人生設計」再論
4. 日本に住んでいれば、誰でも億万長者になれる。
5. 人生における大きな買い物について考えてみよう。
6. 経済的に独立するにはいくら必要か?
7. インフレとデフレについて知っておこう。
第3章 借金をするときに読んでください
8. よい借金、悪い借金。
9. 「金利」について知っておきたいいくつかのこと。
10. 金融の世界にはどういう業者がいるのか?
11. 金融機関の仕事とはどういうものだろうか?
12. 信用情報データベースで「信用力」をチェックする。
第4章 いよいよ借金をしてみよう
13. 独断と偏見の全日本借金ランキング。
14. おカネを日本国から借りて、税金を返してもらおう。
15. 「国の住宅ローン」の賢い使い方。
16. 借金から見た自動車・不動産・生命保険。
17. クレジットカードから消費者金融まで。
18. 人生が破綻するとき。
あとがき――既得権を国民に開放しよう!
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