2021.5.31
<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ)
約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。
浜口です。今回はまず、前回の当ブログのアップ日(2021年5月19日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄フォローを行います。株価は、5月28日時点が最新データです。
このたび、サテライト銘柄として、9201 日本航空(以下、JALと略す)を加えました。タイトルにあります通り、日本株はいよいよ、「ワクチン相場」に突入しつつあると考えるからです。その恩恵を受ける銘柄として、JALは適しているなと考えます。
空運株に投資するのであれば、JALかANAの二択になると思いますが、JALです。理由は、JALは海外運航部門の比率がANA比較で低いためです。ワクチン接種率増加に伴う空の便の旅客移動は、国内が先行し、海外は遅れることになると考えます。
それ以外のここに掲載されている銘柄については、株価が一部、上下しているものもありますが、基本的には持続で問題ないと思います。
これはモルガン・スタンレーMUFG証券の海運株アナリスト尾坂さんの5月28日付レポート。重要な箇所は、ピンクのマーカーを引いています。中でも、「21年度1Q決算では、海運各社の業績上方修正が期待される」とある点が注目されます。21年度1Qは今年の4月〜6月であるため、決算発表時期は7月であると想定されます。
さて、前回ご紹介した投資戦略、「商船三井ロング・日本郵船ショートの株式運用戦略商船」については、両銘柄のさやが拡大中です。
5月28日時点では、商船三井の株価は4,375円、一方で日本郵船は4,500円と、株価の単純比較では125円ほど、日本郵船の株価が高い状況です。前回レポート発行日(5月18日)の両銘柄の終値比較では、さやが105円ほど拡大しています。 このポジションについては、前回のレポートでも書いた通り、逆張りの形でポジションを段階的に増やしていって良いと考えます。その増やし方については、投資資金の額、さやに対する相場観等含め、みなさんの考えに委ねたいと思います。
なおグラフは過去3カ月の商船三井と日本郵船の株価を示したものです。グラフは日経SmartChartPLUSを用いて、概ね、重なるように作っています。(日経SmartChartPLUS)
さて、ここからは今回のメインテーマ、「いよいよワクチン相場に突入か?」について考えてみたいと思います。
これは大和証券のストラテジスト、木野内さんの5月27日付レポート。「日本でもワクチン相場開始のサイン点灯」と。参考になると思います。ピンクのマーカー部分をご覧ください。
世界的に、ワクチン接種回数が人口比で8%を越えた段階から景況感が良くなる。それにより、株式市場はワクチン相場が始まるとのことです。そして日本も昨日(5月26日)、その段階を迎えたとのこと。違和感ないシナリオですね。
要は「後出しジャンケン」みたいなものです。すでにワクチン接種が先行した英米の例が参考になります。英米が先行して景気回復・株価上昇局面を迎えていますが、東京株式市場もこれを後追いすると考えます。この点については、当ブログで5月11日に書いた第3回「時間の問題でワクチン相場に突入、その場合の本命はJAL・ANAか」でも説明していますので、こちらも併せてお読みください。
ブログの第3回では、「日本株については、ここもとの景気敏感バリュー株相場についてはどこかで一服する場面があるかもしれませんが、9月か10月位から再加速する可能性が高いと考えます。この再加速する時期は、前倒しになるかもしれません。相場は、現状でイメージで可能な先行きを、常に前倒しで織り込みに行くからです」と書いています。これについて、現状私は、この「前倒し織り込みシナリオ」に向かう可能性が高いと考えます。
以上です。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。
なお皆さんの株式運用資産運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。