国債の暴落は本当に近いのか。飛び交う危機説の実態に迫る!
日本国債(JGB:Japanese Goveriment Bond)の価格が暴落するのではないかという懸念は数年前からいわれだし、最近、一層話題になっている。われわれは債券市場で国債を中心とした債券市場分析業務を長年行っているが、今日ほど国際問題が話題になることはないと思う。国債市場というテーマで小説が書かれるなど昔では想像もつかなかったし、国債問題が経済や経済政策の範囲にとどまらず、ここまで政治問題化され公の場で議論されるようなこともこれまであまりなかったと思う。また、最近では海外からも「JGBプロブレム」といわれるし、今後の政策論議なかでも小泉首相が掲げる「2002年度以降の新規国債発行額30兆円以内」の公約に見られるように、今後も引き続き政治的な関心を集めるであろう。2001年8月に議論された2002年度予算の概算要求基準においては新規国債30兆円が最大の政策目的とされ、その実現に向けて予算方針が方向付けられようとしている。国債を巡る議論に対する世の中の議論は多岐にわたっている。単純に財政赤字拡大と国債発行残高の増加を問題視するもの、残高への問題意識から日本は破滅に向かうのではないかというやや極端な議論、国債残高の増加という現象面をとらえて、ともかく早く国債の発行を抑制するべき、というような政策議論など、やや振れの大きな議論になっていたように感じている。
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