
<目次>
�� 競争優位の原理
�� 業界内部の競争分野をどう決めるか
�� 企業戦略と競争優位
�� 攻撃と防衛の競争戦略
・あとがき
・索引
<「日本語版に寄せて」より>
この本は、競争優位を論じている。ますますグローバル化する市場という新しい時代に、会社が競争優位を守り、さらに創造するための方法に関して、理論的で厳密な理解へのみ知恵をお教えしたいと望んでいる。私の前著『競争の戦略』(ダイヤモンド社)は、業界構造と競争業者の行動を述べた本であった。この本は、前著の姉妹書でああって、主として、会社自体に焦点を当てて述べている。
この本の中心テーマの一つは、多角化企業の経営という問題である。私はこの本で、多角化にイたるベストの道の探しかたを述べると同時に、多角化によって生まれた各種の事業単位を、互いに戦わすのではなく、互いに力をあわせて強力にさせえる経営フィロソフィーを説明している。私が解説した競争条件に日本の会社が対応する場合に、多角化こそは中心課題になるはずである。
この本は、読みやすい本にしようと意図したものではない。競争優位は、スローガンすなわち単純な心理の反復から生まれはしない。会社のあらゆる側面を正しく理解し、会社のどの活動が競争相手に対して持続力のある差別化を生むのかを知ることから生まれるのである。この本で述べた概念やアイデアが、やさしくはないとしても、競争優位に至る道を一段と明るく照らしてくれることを祈ってやまない。