偉業を成し遂げた人や苦難を乗り越えて復活したスポーツ選手が、必ず口にする共通のセリフがある。「自分ひとりの力ではここまでやってこれなかった」「自分を支えてくれた人々のおかげだ」。誰もが聞いたことがあるセリフだが、抽象的で目に見えない。しかし目に見えない何かが、目に見える驚くべき結果を生み出したことは事実だ。それはいったいどんな力なのだろう。
本書はリーダーシップコーチングのエキスパートであり、1000万部を超えるベストセラー作家でもある心理学者ヘンリー・クラウドが、深い洞察力と最新脳科学研究の知見を得てまったく新しい概念を提案する。「限界を超えて成果を上げる方法」の大転換である。
従来のリーダーシップ研修や成功するためのノウハウ本では、自分を向上させること――能力を高める、知識を吸収する、克己心や忍耐力を養うなど自分に焦点を当てたものばかりだ。しかし自分だけでは限界があることが見落とされている。
本書はそれらとは視点を異にする。より高い成果を上げるためにフォーカスすべきは、自分ではなく「他者」である――これが本書の主旨だ。
誰かの一言で人生が変わった、困難な状況から抜け出せたという経験はないだろうか。本書では著者自身が、人生のさまざまな場面で「他者」によって助けられた経験を赤裸々に語っている。
成功する人と失敗する人とでは何が違うのか。能力?努力?イヤ、そのとき彼らの傍に誰がいたか?それが問題なのだ。成功した人たちを見てみると、彼らの傍には必ず誰かがいた。
●マーク・ザッカーバーグにはスティーブ・ジョブズがいた(フェイスブック)
●ビル・ゲイツにはウォーレン・バフェットとエド・ロバーツがいた(マイクロソフト)
●ジャック・ニクラウスにはジャック・グラウトがいた(プロゴルファー)
●マイケル・ジョーダンにはフィル・ジャクソンがいた(プロバスケットボール選手)
つまりあなたが成功するには、あなたの傍に誰がいるかが重要なのだ。その誰かとは第4ゾーンの関係でなければならない。そうでなければ悪影響を受け失敗する。心理学者である著者は人間関係を4つのゾーン(種類)に区分した。私たちはいつも必ずこのどれかにいると言う。そして私たちが居場所とすべきは第4ゾーンである。この第4ゾーンにおける人間関係が、あなたを後押しし、限界を超えさせる。
あなたが企業のトップでも組織のリーダーでも、どんな分野にいようとも「他者の偉大な力」を知り、それを生かすことができれば、どんどん上を目指していけるはずだ。
献辞
第1章 見過ごされてきた真実
第2章 人間関係の科学
第3章 人間関係の四つのゾーン
第4章 第四のゾーンへ行く
第5章 大きな成果を上げるための燃料
第6章 自由とコントロール
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第7章 自由は責任を伴う どうバランスをとるか 責任と期待 対立とフィードバック 脳とフィードバック 実行しやすく行動に移しやすいフィードバックとは 帰結と苦痛 練習とフィードバック 自由、責任、愛情
第8章 獣の牙を抜く
第9章 正しい後押しの仕方
第10章 外部を内面に取り入れる
第11章 人間関係のバミューダ・トライアングル
第12章 信頼
結論―人柄は最大の武器 |
第1ゾーン――誰ともつながっていない状態(関係性が生まれない)
第2ゾーン――自分がダメな人間だと思わされてしまう関係
第3ゾーン――見せかけだけの関係
第4ゾーン――相手のための助言ができる真の関係
新しいものの見方というのは新鮮であると同時に、不思議な感覚を覚える。編集しながら、未知の世界に足を踏み入れた新参者のような気分になった。そもそも改まって人間関係を考えるのは、誰かとの関係性が悪いときで、そのときには自分自身を振り返る。自分の何が悪かったのか、どんなふうに誤解を与えてしまったのか、などなど振り返り思い悩む。堂々巡りが多いが、それは誰でもが経験することだと思う。
しかし本書では関係性がよくない理由は、その人との関係がどのゾーンに属しているかで原因が見えてくるというのだ(もちろん自省も大事だが)。衝撃的な考え方だ。その視点であらためて状況を見てみると、面白いほど納得できる。そして真の人間関係を構築するには、まず自分自身が第4ゾーンに属していなければならないことに気づかされる。
「誰に出会うかで人生は大きく変わってくる」「成功するか失敗するかは、あなたの傍に誰がいるかで決まるのだ」という指摘はズシンと心にひびいた。人間は自分ひとりの力で今の自分に至ったわけではない。必ず周りの人たちの影響を受けている。それは幼いころには家族だろうし、成長すれば仲間であったり会社の上司であったり……。その人物との関係がどのゾーンにいるかで、影響は天と地ほどの差になる。自分の能力をもっと伸ばせるか、埋もれさせてしまうかがこれで決まる。うなづきながら読み進めるうちに、では周りの人にとっての自分はどうだろうか――そう考えるようになった。これからは自分の言動が他者に与える影響というものを、もっと自覚しなければならないと思う。
ずいぶん前に見たCMのキャッチコピー、「たった一言で頑張れる」という言葉がふと心に浮かんだ。苦しんでいる誰か、努力している誰かに、いい影響を与える一言をかけられる人間でありたいと思う。
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