人はみな、日々、大小さまざまなリスクを取っていて、どんなに注意深くてもリスクから逃げることはできない。そこで問題となるのは、リスクを取るかどうかではなく、どのリスクをどう取るか。そうしたリスクを比較・計測し、求めるものを手にいれられる可能性を最大化する方法だ。
シュレーガーは、人々がリスクをどのように管理しているのかについての研究でキャリアを積んできた異色の経済学者である。本書では株式市場や金融機関から離れた場で遭遇した現実の、しかし特殊な世界と、そこで学んだリスクについて語ってくれる。
本書では、特徴的で興味深いリスクを取る危険を顧みない人々に取材。
この原則を参考に、リスクを伴う決断を進めることができれば、ビジネスや投資のあらゆる状況においてアップサイド(利益の可能性)を増やし、ダウンサイド(損失可能性)を削減できるだろう。
「シュレーガーは、複雑さを増す今日の世界に内在するリスクを乗り切るために、読みやすく、それでいて示唆に富む指針を提供している。集団の指揮、統率、指導を志す者にとっては必読の書だ」
――スタンリー・マクリスタル(アメリカ陸軍大将)
「リスクというものをもっとよく理解したければ、変わった状況に身を置く必要がある。それが、フリーコノミクス freakonomics の伝統に従ってシュレーガーが行っていることだ。本書は勉強になるだけではなく、読み物としておもしろい」
――アダム・グラント(『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』著者)
原題 AN ECONOMIST WALKS INTO A BROTHEL:And Other Unexpected Places to Understand Risk
第1章 リスクの紹介――その性質と変わった場所のリスク リスクとは?/売春宿の経済学/金融―リスクの科学/リスクのルール/私たちを取り巻くリスクは増えていくが対処は可能だ ●ルール1 ノーリスク、ノーリターン
第2章 リスクに対する見返り――欲しいものを手に入れるには、何が欲しいかを知る必要がある
第3章 リスクを取る――どのようなときに安全を捨て打って出るべきか
第4章 リスクの計測――ハリウッドの終わりのない確実性探求の旅
第5章 さまざまな種類のリスク――パパラッチの秘密の生活 ●ルール2 自分の非合理性を知れ
第6章 プロスペクト理論――合理性へと傾く |
第7章 リスクの誤認識――自分が捕まるとは思わなかった 本当にクレイジー/私たちは皆、確率を理解するのが下手くそだ/確率的な思考は生まれつきできることではない/主導権を取り戻すには ●ルール3 取ったリスクに対して最大の見返りを得よ
第8章 リスクの分散――まったく見当違いの場所で効率性を追求する ●ルール4 自分の領域を支配せよ
第9章 リスクの除去――ヘッジの技術ぼう
第10章 保険――壮大なストックオプションの物語
第11章 モラルハザード――保険に加入して大きな波に乗る ●ルール5 想定外のことも起こりうる
第12章 不確実性――戦場の霧 終わりに |
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