なぜ大衆はいつも間違うのか。なぜバイ・アンド・ホールド戦略はうまくいかなくなったのか。どうすれば新しく発生したトレンドにいち早く乗れるのか。どんなセットアップがうまくいくのか。なぜ安値で買って、高値で売ろうとする戦略がうまく機能しないのか。なぜファンダメンタルが良好な株を買っても損をするのか。どうすれば利益を上げる考え方ができるようになるのか。どうやれば次のメジャートレンドを見つけることができるのか。どうやればマーケットの心理を読むことができるのか。どうやれば個人トレーダーの成功を阻む障害を克服できるようになるのか。短期でも長期でも利益を得られるトレーディング法とはどんなものなのか。
ランドリーは自らが考案した株のトレーディング法によって、20年近くにわたってマーケットで成功してきた。彼のキャリアで際立っているのは、トレンドがさらに発展するのか、転換するのかを予測して、それをトレードに生かす能力だ。彼はだれでもできる単純なトレーディング手法を用いて、一貫してウォール街に打ち勝ってきた。
ランドリーは相場について学び、悩んでいる投資家やトレーダーに彼の知識を分け与えたいと常に考え、そして、ついに初心者のために本書を書いた。本書では、マーケットに流布している誤った神話と真実を明らかにし、どうすればマーケットで定期的に利益を出せるかを教えてくれる。
あなたが投資やトレーディングの初心者であれ、これまでずっとマーケットとかかわってきた人であれ、本書を読めば相場に対する新鮮な見方と新しい手法が得られるだろう。マーケットで一貫して利益を上げるために必要なもののすべてが、本書に余すことなく披露されている。相場が本当はどのように動いているのか、そして、思いもよらないほど冷酷なマーケットで成功するために何が必要かを、本書で学んでほしい。
第2章 テクニカル分析で市場心理を読む
バーチャートを理解する/例――キノコ栽培の企業/ポータベラ社のニュース/エンパイア・リソーシズの上昇と下落/まとめ
第3章 短期でも長期でも利益を出すトレーディング
トレーディングとは何か?/空売りの技術/トレンドに沿ったトレーディング/トレンドの認識/トレンドはフレンド/トレンドに必要な条件/高値と安値の切り上げ/持続力/足のパターン/移動平均線/傾き/デイライト/複数の移動平均線を使う/トレンドは明白でなければならない/相場――なぜボートは浮かぶのか?/セクター――同類/押し・戻り入門/押しや戻りの例/特定の押し・戻りのパターン/トレンドノックアウト/まとめ/パターンを当てはめる/持続的トレンド中での押しや戻り/まとめ/パターンを当てはめる/まとめ/パターンを当てはめる/第3章のまとめ/小テスト(カンニングをしないこと!)
第4章 押しや戻りでの仕掛け――詳細
まとめ――トレンドのある相場での押しや戻り/強いトレンド/押しの期間/押しの深さ/仕掛け/損切りのストップ/一部を利食う/トレイリングストップ/まとめ
第5章 損益管理
損失の管理――トレーディングが不公平なわけ/1〜2%ルール/損切りのストップを置く技術/このストップはきつすぎる/このストップは緩すぎる/このストップがぴったり/時には上手な攻撃が最大の防御になる/利益の管理――トレイリングストップを使い、稼いだ資金でトレードする/まとめ
第6章 トレーダーの心理
つもり売買で失敗した人など見たことがない/トレーディング心理の3要素/資金管理/トレード手法/理論的には理論と実践は同じだが、実際にはそれらは同じではない/思い浮かべる/心理面のチェックリスト
第7章 注文はどうされますか?
ブローカー/注文の執行/トレード計画を立てる/計画に従ってトレードをする/事後分析
第1部のまとめ
案内係の話に戻る
第9章 新しいトレンドに早く乗る――トレンドの転換点での仕掛け
最初の急上昇や急落/まとめ/パターンを当てはめる/デイライト形成後の最初のキス/まとめ/パターンを当てはめる/ボウタイのパターン/まとめ/パターンを当てはめる
第10章 さらに知っておくべきこと
小さいことに気を取られるとムダ骨を折ることになる/細かいことは気にしない方法/まとめ
第11章 上級レベルのトレーディングと資金管理
高度なテクニック/資金管理とポジション管理を改善する/まとめ
第12章 まとめると
事後分析/まとめ
第13章 締めくくり
さて、トレンドフォロー手法といえば、商品先物市場を中心に1980年代から使われ始め、その後広く知られるようになったトレード手法である。その歴史や詳細は、『規律とトレンドフォロー売買法』や『タートルズの秘密』(ともにパンローリング刊)など、ほかに詳しい解説書が出ているので、ここで改めて述べることは控えるが、この手法の優れた点の一つは、実践するにあたって特別な技術や知識、設備といったものを必要としないところにある。
ランドリーも自分の専門の一つがコンピューターサイエンスであるにもかかわらずメカニカルなトレード手法を捨て、単純な指標を用いて裁量によるトレンドフォローを行うことがベストであると喝破している。
また、この手法は初心者でも無理なく実行できるトレード手法の一つである。一般に個人投資家が無理なく実行できるトレード手法はそれほど多くはなく、そのなかでも主なものは、
著者紹介
デーブ・ランドリー(Dave S. Landry)
TradingMarkets.comの共同設立者兼定期寄稿者。ルイジアナ大学でコンピューターサイエンスの理学士、南ミシシッピ大学でMBA(経営学修士)を修得。20年以上にわたって、独自に考案したトレーディング法で成功を収める。公認CTA(商品投資顧問業者)のセンシティブ・トレーディングやヘッジファンドのハーベスト・キャピタル・マネジメントの代表で、2/20EMAブレイクアウトシステムなど多くのトレーディングシステムを開発。また、多くの雑誌に寄稿し、著作も『裁量トレーダーの心得 スイングトレード編』(パンローリング)や『デーブ・ランドリーズ・10ベスト・パターンズ・アンド・ストラテジーズ』などがある。
監修者まえがき
本書はデーブ・ランドリーによる“The Layman's Guide To Trading Stocks”の邦訳であり、トレードをこれから始めようとする投資家やトレーダー向けの「裁量によるトレンドフォロー手法」の入門書である。
――の三種である。これらのうち広義の逆張りを利用した後者の2つのトレード手法はマーケットの変化の定常性を前提としている。つまり「将来は過去と同じである」という世界観に基づいているのだ。これは長い目で見れば正しいモノの見方であり、通常であればマーケットにおいても有効な考え方である。しかし、2008年以降の世界情勢を鑑みれば、これからしばらくの期間はマーケットの定常性を当てにしてトレードしないほうがよいのではないか。むしろこの不確実性の時代にあっては、「将来は過去と違うことが起こる」と仮定としてマーケットに臨むべきだと私は考える。(つづきを読む)
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