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ローレンス・A・カニンガム/長尾慎太郎/藤原康史 バフェットからの手紙 [第3版] 世界一の投資家が見たこれから伸びる会社、滅びる会社

バフェットからの手紙 [第3版] 世界一の投資家が見たこれから伸びる会社、滅びる会社

ローレンス・A・カニンガム, 長尾慎太郎, 藤原康史
パンローリング
四六判 590頁 2014年7月発売
本体 2,300円  税込 2,530円  国内送料無料です。
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究極・最強のバフェット本が14年ぶりに改訂!
バフェット率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの年次報告書で 米企業の全体像がわかる

→ 最新の第4版はこちら


読者のご意見 | 第1版オーディオブック CD版MP3ダウンロード版
生ける伝説の投資家が明かすコーポレート・ガバナンス、成長し続ける会社の経営、経営者の資質、企業統治、会計・財務とは――。

「買った株には上がってもらいたい」というのは、一般の投資家の普通の心理だろう。よって、投資家は「上がる銘柄」を探そうとする。しかし、市場で付いた価格にはほとんど合理性はない。極論に言えば、「株価には意味はない」のだ。

そのことをベンジャミン・グレアムから教えられたバフェットは、企業の本来価値に基づいた「優れた企業」を探すことに徹底する。それは、「上がる株」を探すよりも簡単で、その企業価値は株価が上がる期間よりもかなりの継続性を持つからだ。

そこで、バフェットは本来の企業価値と現在の株価とを比較し、この二者がどのくらい離れているのかを計る「安全分析」を極める。

資産運用の世界では、さまざまなイベントが起こるたびにそのパフォーマンスは大きく上下してきた。時の試練を経ても、なおかつ着実かつ驚異のリターンを上げるバフェット(バークシャー・ハサウェイ)の投資・経営術のすべてが明らかになっている本書は、企業経営やビジネス、個人金融や投資に関心を持つ読者の方々には大いなる示唆と教訓と、そして震えをもたらすものになるだろう。

●本書への賛辞

「カニンガムは私たちの哲学を体系化するという素晴らしい仕事を成し遂げてくれた」――ウォーレン・バフェット
「とても実用的な書だ」――チャーリー・マンガー
「バリュー投資の古典であり、バフェットを知るための究極の1冊」――フィナンシャル・タイムズ
「このバフェットに関する書は素晴らしい」――フォーブス
「凄い――知恵とユーモアとコモンセンスに満ちている」――マネー
「今年最も優れた書のひとつ。最高だ!」――CNNファイナンス
「真剣な投資の講義にエンターテインメントの要素を加えたものだ」――インベスターズ・クロニクル
「必読のビジネス書だ」――JPモルガン・プライベートバンキング
「企業経営の書でもあり個人金融の書でもある」――パブリッシャーズ・ウィークリー
「あらゆる時代を通じて投資に関する最高の書物のひとつだ」――モトリーフール



著者紹介

ローレンス・A・カニンガム(Lawrence A. Cunningham)
ジョージワシントン大学ロースクールのヘンリー・セント・ジョージ・タッカー三世リサーチ教授。著書として、ハンク・グリーンバーグ氏との共著『ジ・AIGストーリー(The AIG Story)』『コントラクト・イン・ザ・リアルワールド(Contracts in the Real World : Stories of Popular Contracts and Why They Matter)』がある。コロンビア、コーネル、ハーバード、ミシガン、UCLA、バンダービルトなど、多くの主要大学の学報に研究論文を掲載。ボルチモア・サン、フィナンシャル・タイムズ、ニューヨーク・デイリー・ニュース、ニューヨーク・タイムズなどに社説を寄稿。アマゾンではビジネス・投資の部門で上位100人の著者として挙げられている。


日本の読者の皆様へ

日本の投資家はビジネス界で長期的視野を持ち、資産運用でも忍耐強いことでよく知られています。これはバークシャー・ハサウェイ社の最高経営責任者である投資家ウォーレン・バフェットが敬愛する価値観なのです。尊敬されるこの米国人についての執筆を日本の皆さんと共有できるのは喜びです。前作『バフェットからの手紙』をお読みいただいた読者の皆さんに感謝しています。皆さんは第3版についても評価してくれることでしょう。

バフェット会長が株主にあてて書いた手紙を読んだことのある経験豊かな皆さんは、投資についてきわめて有益な知見を得たことでしょう。形式ばらないシンプルな言葉で語られた手紙には、堅実なビジネスを実践するうえでの基本的な原則がすべて詰まっています。投資対象や運用者を選ぶとき、企業や業界を評価するとき、利益をもたらす財務情報を活用するとき、本書は広い範囲で豊かな英知を与えてくれると思います。

このような投資について意義のあるエッセイをまとめることで、ビジネス全般や投資哲学など多くの要素を網羅しながらも、幅広い一般読者を対象とした1冊の本になりました。前作のビジネス評価やコーポレートガバナンス(企業統治)のような基本的な原則を土台にして、第3版では現代の諸問題である、世界金融危機や技術革新、リスクを乗り越えて、バフェットの原則が通用するかを描いています。

グローバル化が進む時代、日本や米国、またその他の国の投資家にとってアイデアや知識を交換することは重要です。バークシャー社が成長し続けているように、日本やアジア全体への投資を加速しながら世界はよりグローバル化し続けるでしょう。日本や世界のどこでもそうですが、富が積み重なると、投資家は海外市場に関心を向け始めます。興味をもった投資家にとって、企業国家アメリカの美徳と悪習の双方を学ぶのに『バフェットからの手紙【第3版】』に勝る知恵の宝庫はないでしょう。本書でバフェットは、美徳を重んじ、悪行を批判して暴露しているのです。

ローレンス・カニンガム教授


目次

監修者まえがき
まえがき
序文 ローレンス・A・カニンガム

プロローグ――株主に関する企業原則

第1章 コーポレートガバナンス(企業統治)
A.完全で公正な開示
B.取締役会と経営者
C.工場閉鎖の苦悩
D.社会契約
E.株主主体で行う企業の慈善事業
F.経営者報酬の正しい決め方
G.リスク、風評、監督

第2章 ファイナンスと投資
A.ミスターマーケット
B.裁定取引
C.標準教義の正体を暴く
D.バリュー投資――冗長性
E.賢明な投資
F.「しけモク」と「企業的責務」
G.人生と借財

第3章 投資の選択肢
A.投資分野の調査
B.ジャンクボンド
C.ゼロクーポン債券
D.優先株生商品
E.金融派生商品
F.外国為替と株式
G.持ち家政策――実践と方針

第4章 普通株
A.売買に関する問題点――取引コスト
B.正しい種類の投資家を引きつける
C.配当政策と自社株買い
D.株式分割と売買の活発さ
E.株主戦略
F.バークシャーの資本構成の改変

第5章 合併・買収
A.ひどい動機と高値
B.「思慮深い自社株買い」対「グリーンメール」
C.LBO
D.健全な買収政策
E.自分の企業を売るにあたって
F.最適な買い手

第6章 評価と会計
A.イソップと非効率な藪の理論
B.内在価値、帳簿価格、市場価格
C.ルックスルー利益
D.経済的なのれんと会計上ののれん
E.株主利益とキャッシュフローの詭弁
F.オプション評価

第7章 会計上のごまかし
A.企業会計におけるペテンに関する風刺
1.固定資産を簿価マイナス一〇億ドルに減価償却する
2.普通株式額面の一セントへの減額
3.賃金をストックオプションで支払うこと
4.在庫を一ドルの評価額で繰り越す
5.優先株式を五〇%の割引価格で償還する割引債と交換すること
6.偶発債務引当金一〇億ドルの計上
B.基準の設定
C.ストックオプション
D.「リストラ」費用
E.年金の評価
F.実現イベント

第8章 会計方針
A.合併
B.部門別データと連結
C.繰延税
D.退職者給付

第9章 税務
A.法人税負担の分配について
B.税制と投資哲学

エピローグ

用語集
構成表



監修者まえがき

本書は、ジョージワシントン大学のローレンス・カニンガム教授の著した“The Essays of Warren Buffett : Lessons for Corporate America, Third Edition”の邦訳であり、訳書としては実に一四年ぶりの改訂となる。この期間には米国市場だけでも、ITバブルの崩壊やリーマンショックなど、インパクトが大きく記憶に残るインシデントが発生した。だが、本書のコンテンツの三分の二が初版と同じであることからも分かるように、ウォーレン・バフェットがバークシャー・ハサウェイの経営を通じて実践してきた投資原則には何の迷いや変更もない。だが、ここでバフェットを投資家としてとらえるのは適切ではない。なぜならバフェットの真の姿は企業経営者だからである。

ところで、一般の投資家は「株価が上がる銘柄」を探そうとする。有価証券投資ではそれが正しい方法と信じ込んでいるからだ。だが、それは演繹に基づいた近視眼的なモノの見方であり、「地球は平たい円盤状をしている」とか、「太陽や星は地球の周りを回っている」というに等しい誤謬である。もともと未来の正確な予測など神ならぬ身にできるはずがないし、ほとんどランダムにすぎない価格の動きを秩序立てて理解しようとするのは愚かなことでもある。

さて、それにもかかわらず、バフェットに倣えば投資で儲けることは大抵の人なら可能である。ここでのカギは、現実世界をデフォルメした経済学のレンズやフィルターを捨てて、実践的な経営学のドミナントロジックに基づいた方法論を用いることである。マーケットで付いた価格には何ら合理性はない一方で、企業の価値に基づいて「優れた企業」を探すことは比較的容易であり、その価値は継続性を持つからである。したがって、市場価格を参照すべきは本来の企業価値との乖離を測る「安全分析」を行うときだけになる。

ベンジャミン・グレアムを首魁とするこの学派は、バフェットをはじめとした優秀な弟子たちを生み、たぐいまれな成果を出してきたが、資産運用の世界ではいまだに異端とされている。しかし、結局はガリレオやコペルニクスの主張が正しかったことを歴史が証明したのと同様に、いつの日か旧守派の誤ったドグマが否定され、バフェットの説く地動説が受け入れられるときが来ると私は信じる。

カニンガム教授は、バークシャーの年次報告書に載った株主あての手紙から、重要と思われるものを抜粋・整理することで、バフェットの経営術を私たちに分かりやすく伝えることに成功した。

2014年6月

長尾慎太郎

まえがき

本書の初版は、二〇年前にサミュエル&ロニー・ハイマン・センター・オン・コーポレート・ガバナンスの主催によってカルドゾ・ロースクールで行われたシンポジウムで最大の話題となったものである。このシンポジウムでは、カルドゾ・スクールの学生数百人が一堂に会し、さまざまな着想について二日間にわたり検討が行われた。約三〇人の著名な大学教授、投資家、経営者と、さらには学生同士で多くの活気ある議論が交わされ、ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガーは最前列に陣取りこれらの議論に加わった。

本書は、私がカルドゾ・スクールで教鞭をとる商慣習についての専門課程の定番教科書であり、ほかのロースクールやビジネススクールでも多くの教授が投資、財務、会計などの授業で採用している。また、一部の投資会社では、研修課程の一部として本書を専門家である従業員や顧客に配布してきた。ありがたいことに、こうした学生や教師、ほかの利用者からは好意的な反響が寄せられており、本書に掲載された教訓が広く教えられ学ばれていることをうれしく感じている。トム・ヨハンセン教授(カンザス州フォートヘイズ州立大学)とレオ・チャン教授(デラウェア州立大学)には特に深く感謝申し上げたい。

バフェットの良き友人でありアドバイザーでもあるボブ・デンハムにも感謝する。彼とは光栄にもシンポジウムの数年後に知り合うことができた。デンハムは法律会社マンガー・トールズ&オルセンのパートナーであり、お互いのもう一人の友人であるモンロー・プライスとともにカルドゾと私をバフェットに紹介してくれた。プライスはかつてマンガー・トールズに勤めており、現在はカルドゾの教授である。彼ら二人がこの扉を開いてくれたのだ。バフェットの親しい友人であり、毎年株主あての手紙の編集に携わってきたキャロル・ルーミスにも感謝する。サム・ハイマンとロニー・ハイマンによるハイマン・センターとしての支援についてもいつもながら感謝したい。

前版同様、本書でも初版の構成と哲学を維持するが、最近の「会長からの手紙」の抜粋を追加している。すべての言葉は一つの織物として紡ぎあげられ、健全な企業と投資哲学についての完全で首尾一貫した物語として読まれるものである。すべての読者にとって役立つように、また、旧版の読者に今回の版で新たに加えられた部分が分かるように、巻末の構成表に本書の各部分が毎年の手紙のどの箇所から抜粋されたものであるかを示している。本文中の脚注では手紙に抜粋された年次報告書の年を示している。また、本書では話の流れをさえぎらないため、抜粋した文章のなかで割愛した部分について省略記号やその他の記号によって示すことはしていない

新たな版が必要となったのは、健全なる企業運営と投資哲学の基本的な部分が変わったためではなく、バフェットの哲学を常に現代の出来事や企業運営環境に照らして明確に表現するためである。したがって、これを通用するものとして維持するための改訂は正当な作業なのである。

旧版の編集に際しては多くの人々の手を借りた。こうした人々への感謝は旧版でも述べてきたが、今一度、感謝を申し上げたい。そしてなかでも特にバフェットに感謝する。彼の寛大な対応によってシンポジウムの開催が可能となっただけではなく、参加していただいたことで一層多様なものとなった。「会長からの手紙」の再構成と再出版を快く私に託していただけたことは大きな名誉である。また彼のパートナーであるチャーリー・マンガーにも改めて感謝する。マンガーはシンポジウムの最前列に陣取り出席しただけではなく、パネリストの一人として参加することもすぐに快く引き受けてくれたのだ。

2013年2月2日

ローレンス・A・カニンガム(ニューヨーク)


(ウィザードブックシリーズ217)

読者のご意見

『バフェット』を知らない人でも、読めば贔屓ファンとなる、というのがわたしの感想です。 ...もっと見る

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