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ジェイソン・ツバイク/長尾慎太郎/井田京子 金融版 悪魔の辞典

金融版 悪魔の辞典

ジェイソン・ツバイク, 長尾慎太郎, 井田京子
パンローリング
A5判 上製本 278頁 2016年11月発売
本体 2,000円  税込 2,200円  国内送料無料です。
この商品は 明日 発送できる予定です。 (発送可能時期について)
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読者のご意見

ウォール街という魑魅魍魎がうごめく世界を生き抜くためのガイドブック
投資業界の本音

本書は、破綻すると分かっている住宅ローンや、恐ろしいほど高いリスクや、つぶすには大きすぎる銀行を私たちに押し付けてきた金権主義者や官僚を痛烈に皮肉り、批判し、揶揄している。本書は、複雑で、不条理で、尊大なウォール街から、単純な真実と、分かりやすい警告を導き出してくれている。

また本書は、敵に囲まれた荒野のような今日の金融市場で生き残っていくための必須のサバイバルガイドであり、サソリの毒を含んだ実践的な洞察でもある。ウォール街の気まぐれやごまかしを跳ねのけて、高揚感と絶望のはざまにいる投資家には、安全な道を切り開いてくれるに違いない。

本書を読んで、煉獄(小罪を犯した死者が罪を清めるための天国でも地獄でもない場所)から距離を置くことがこれほど有意義だったとは、改めて分かったことだろう!


■本書で取り上げられた用語の例

うわさ【rumor】
(名詞)
ウォール街では事実と同義語。
当局【regulator】
(名詞)
羽のはたきを振り回して暴れる巨象を威嚇しようとする官僚。
データ【data】
(名詞)
ウォール街でマーケティングのためにねじ曲げた解釈をねつ造するための原材料。
公正価格
【fair-value pricing】(名詞)
当て推量のこと。
経営陣【management】
(名詞)
自信過剰で、報酬をもらいすぎているが、自分は正当に評価されていないと感じている人たち。
価格【price】
(名詞)
たいていは思い込みで、ほぼ必ず混乱を招く数字。
エコノミスト
【economist】(名詞)
現実の世界を象牙の塔の高みから研究し、人とモノとお金の混沌とした相互作用が自らの理論と合致していると結論付ける学者。

■著者紹介

ジェイソン・ツバイク(Jason Zweig)
2008年にウォール・ストリート・ジャーナルの投資コラムニストに就任。以前はマネー誌のシニアライター、タイムやCNN.comのゲストコラムニストなども務めた。著書の『あなたのお金と投資脳の秘密』(日本経済新聞出版社)は、投資と神経科学の関係を解き明かした最初の本のひとつ。また、ベンジャミン・グレアムの『賢明なる投資家』の改訂版『新 賢明なる投資家』(パンローリング)の編著者でもある。ツバイクは、1995年にマネー誌に入る前は、フォーブスの編集者として投資信託部門を担当していた。また長年、アメリカ金融博物館やスミソニアン協会の理事を務めており、ファイナンシャル・ヒストリーやジャーナル・オブ・ビヘイビラル・ファイナンスの編集委員にもなっている。

■本書への賛辞

「楽しくて、興味深くて、不遜で、博識なジェイソン・ツバイクがまたやってくれた。笑って唸って……友人にも贈りたくなるだろう」――チャールズ・D・エリス(グリニッチ・アソシエーツ創業者、『敗者のゲーム』[日本経済新聞出版社]の著者)

「幅広い経験と、歴史への深い理解と、並外れた洞察力と、ユーモアと皮肉こそ、投資の世界を理解するために知っておくべきことであり、本書にはそれが書いてある」――ハワード・マークス(オークツリー・キャピタル・マネジメント・LP共同会長、『投資で一番大切な20の教え――賢い投資家になるための隠れた常識』[日本経済新聞出版社]の著者)

「痛快なユーモアに満ちた金融市場の不遜なアンブローズ・ビアス。ウォール街の常識を風刺し、批判した本書は、真剣な投資家の本棚に必ず備えておくべき1冊」――バートン・G・マルキール(プリンストン大学名誉教授[金融学]、『ウォール街のランダム・ウォーカー』[日本経済新聞出版社]の著者)

「ジェイソン・ツバイクは、投資家への賢い助言で知られたジャーナリストだ。彼には抜群のウイットがあり、本書にはそれがいかんなく発揮されている。まじめすぎる人でなければ、大いに楽しめる読み物」――マイケル・J・モーブッシン(クレディ・スイスのグローバル・ファイナンシャル・ストラテジース責任者、『偶然と必然の方程式』[日経BP社]、『まさか!?』[ダイヤモンド社]の著者)

「これまで見たなかで最も愉快な金融原則の紹介」――ロバート・J・シラー(エール大学教授、ノーベル経済学賞受賞者、『投機バブル――根拠なき熱狂』[ダイヤモンド社]の著者)

「金融制度を不正に操作して法外な利益を得ている連中が野放しになっている2回目の金ぴか時代に、ウォール街に蔓延するウソと作り話を暴くため、だれかが書かなければならなかった短くてパンチのある本。読者(賢い人も、無知な人も、すでに被害に遭った人も)には幸運なことに、ジャーナリストのジェイソン・ツバイクがこの挑戦に挑み、タッチダウンで勝負を決めてくれた。笑って、泣いて、学びながら、この傑出した本を楽しんでほしい」――ジョン・C・ボーグル(バンガード・グループの創業者、『インデックスファンドの時代』[東洋経済新報社]の著者)


■監修者まえがき

本書は金融ジャーナリストのジェイソン・ツバイクによる“The Devil's Financial Dictionary”の邦訳である。オリジナルの『悪魔の辞典』は100年以上も前にアンブローズ・ビアスによって書かれ、その痛烈な皮肉やブラックユーモアが好評を博してきた。だが、オリジナルがあくまでパロディとして楽しく読めるのに対し、本書の読後にシリアスな覚めた感覚が残るのは、本書の内容が、遠い昔のはるか彼方の銀河系で起こったことなどではなく、私たちの社会で現在起こっている笑えない事実だからである。 ここに書かれてあることのほとんどは真実だが、関係者がそれを公の場で口にすることはできない。仮にもし話すことができるとしても、本来あるべき姿と並列で述べるのがせいぜいである。実際には、金融業界内部でさえ本当のことを言うことはタブーとされている。(つづきを読む)


■はじめに――これは悪魔の仕業なのか

19世紀初めの最初の金ぴか時代に、アメリカの偉大な風刺作家であるアンブローズ・ビアスが『悪魔の辞典』という傑作を執筆した。ビアスは1842年に生まれ、独学で学び、南北戦争ではシャイローの戦いやチカマウガの戦いなどの戦場で、悪魔に直面した。彼は湾曲表現や偽善、混乱した考えを敵視していた。彼の辞典は、何十年かの間に断続的に雑誌に掲載されたもので、1906年に本として出版され、この豪勢な時代のほぼすべての社会や体裁のメッキをはぎとってしまった。(つづきを読む)
(ウィザードブックシリーズ243)

読者のご意見

 金融関係、それも投資関係でよく用いられる用語について、時に逆説的に、時に皮肉っぽく ...もっと見る

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