その後、ロンドンのチェンジアリーの株式売買(ワインが1インチのロウソクの火が消える直前に値を付けた者が落札者になるという方式のオークションで売られた)、1720年の悪名高きサウスシーバブル(南海泡沫)と続く。サウスシーバブルではアイザック・ニュートンは「天体の動きなら計算できるが、人々の狂気までは計算できなかった」という有名な名言を残している。当時、法外な金額をふっかけたり、女性の貞操を守る保険と題してリスクを引き受けるブローカーがいた。また、お金として流通するクレジットノートや宝くじがあった。アレクサンダー・ポープやベンジャミン・ディズレーリ、アイバン・ボウスキー、ヒラリー・ローダム・クリントンなど、バブルで一獲千金を狙った賢明な投資家や愚かな投資家がいた。
金メッキ時代から狂騒の1920年代、19世紀の鉄道狂時代から1929年のウォール街大暴落、ジャンクボンド王のマイケル・ミルケンに代表されるカウボーイキャピタリズムや、日本のバブルであるカミカゼ資本主義、現代の情報時代に生まれたデイトレーダーまで、いつの時代にも存在した、またこれからも存在するであろう人間の飽くなき強欲と愚行と狂気の結末を描いた興味深い1冊!
*本書は2000年4月、日経BP社から『バブルの歴史』として刊行されたものを新たに翻訳したものです。
監修者まえがき
序文――最後にやって来た者が悪魔の餌食になる 第1章 「バブルの世界」――金融投機の起源 第2章 チェンジアリーの株式売買と一六九〇年代のプロジェクトの時代 第3章 忘れ得ぬ許しがたい南海計画 第4章 黄金の見かけにだまされた一八二〇年代の新興市場ブーム 第5章 迅速な交通手段――一八四五年の鉄道ブーム時代 第6章 金メッキ時代――だまされ、魔法にかけられ、悪魔にとりつかれた時代 |
第7章 新時代の終焉――一九二九年の世界恐慌とその余波 将来を抵当に入れる 株の売り 投機プール 株の誇大広告 銘柄選択 資金借り入れの魅力 群衆の狂気 悪の根源 大恐慌に発展 追記――ニューパラダイムとウォール街での一九二〇年代の復活 第8章 カウボーイキャピタリズム――ブレトンウッズからマイケル・ミルケンまで 第9章 カミカゼ資本主義――一九八〇年代の日本のバブル経済 エピローグ ならず者の経済学者 謝辞 原注 |
ところで、第9章にもあるように、日本でも1980年代にバブルが発生し、その崩壊と混乱は私たちの社会に少なからぬ爪痕を残した。そのなかで最も深刻なものの一つは、経営行動や投資行動でのリスクテイクに対する寛容性が失われてしまったことである。(続きを読む)
今日ほど投機というものが注目を浴びている時代はない。通貨危機、株式市場のバブルと崩壊、デリバティブの失墜、技術革新といった現在の金融・経済ニュースの裏には、必ず投機家の姿が見え隠れする。米国では毎日、何百万という個人投資家が株式の取引を行っている。一九九〇年代のアメリカ経済の成功は、株式市場に流れ込んだ投機マネーが生んだものだった。当時、米国では新興企業が台頭し、旧来の企業は統合され、会社は投資を促され、投資家は株式市場で得た利益を水のように浪費した。繁栄という名の大きな泡が私たちの眼前ではじけた今、私たちが不安に思うのは、繁栄は復活するのか、である。(続きを読む)
(ウィザードブックシリーズ264)
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