マネックス証券代表取締役社長CEO 松本 大
それは、「システムトレード」。システムトレードとは、自分が考えた投資アイデアを機械的に行うための手法です。感情に左右されるような思い込みのトレードでは、たとえ利益を上げたとしてもそれは根拠のない偶然性によるもので、プロたちとの勝負にはならないといえます。しかし、優秀な投資アイデアと統計的に証明された結果を元に、優位性のある投資手法で機械的に運用すれば、ヘッジファンドと互角に勝負をすることだって可能なのです!
巷では、システムトレードがブームとなっていますが、今までは実際にシステムトレードを実施するといっても、分析に必要な株式データを入手し、分析を行うためにエクセルのマクロ機能を利用して作り込む必要がありました。さらに自動発注を実現させるためにはマウスジェスチャを記憶するツールを利用するなど、実際に自動運用できる状態にするためにはかなりの労力が必要でした。
しかし、本書で解説している「マネックストレーダー」は、株式の銘柄データの取得から、分析、そして自動発注に至るまで、一つのソフトのなかですべてを実行してくれる、日本で初となる高機能のシステムトレード環境を実現しています。
「マネックストレーダー」では中学生レベルの英語力さえあれば、だれでも簡単に自分の投資アイデアをプログラム化できるような、易しいプログラム言語となっています。投資アイデアをプログラム化してしまえば、過去10年分の株式データを元に、どの程度、自分の投資アイデアが実際に儲かっていたのか、といったことを、数秒のうちに計算してくれます。「○×▲手法で、?億円儲ける方法」といった手法も、本ソフトを利用すれば、本当に儲かるのかどうかといったことが、簡単に分かってしまうのです。
私自身も、プログラムの経験がまったくない状態から、本ソフトの言語を使って、どんな投資アイデアもプログラム化できるようになりました。個人投資家でも、相場で勝ち残っていけるための分析ツール「マネックストレーダー」を、初心者の観点から解説していきましたので、多くの皆様に、システムトレードのノウハウを理解していただけたら幸いです。
2007年5月高橋謙吾
第1章 システムトレード概要 1.1 システムトレードとは? 1.2 マネックストレーダーの特徴 1.2.1 テクニカル検索機能――適した銘柄を抽出するフィルタリング機能 1.2.2 バックテスト機能 1.2.3 自動売買機能 第2章 プログラム基本機能 2.1 各種ウィンドウの紹介 2.2 プログラムの種類 2.3 Bar・ローソク足形成の仕組み 2.4 チャートの形成方法 2.5 チャートの過去データ利用に関して 2.6 プログラムの基本動作について 2.7 プログラム起動は足ごとに行われる 2.8 プログラム実行間隔はチャート表示に依存 2.9 プログラムは上から下に処理が実行される 第3章 プログラム詳細 3.1 関数および予約語 3.1.1 割当演算子 3.1.2 算術演算子 3.1.3 関係演算子 3.1.4 論理演算子 3.1.5 句読点および括弧 3.2 YesLanguageの文法例について:基本規則 3.3 YesLanguageの文法例について:制御文 3.3.1 if 条件 then 実行文 3.3.2 if 条件 then 実行文1 else 実行文2 3.3.3 For文 3.3.4 While文 3.3.5 制御文:Var/Vars/Variable/Variables 3.3.6 内蔵変数:内蔵変数:Var1〜Var99(数値型)、 Condition1〜Condition99(条件型) 3.3.7 条件判定:True/False 3.3.8 外部変数:Input/Inputs 第4章 既存のプログラムを利用してみよう 4.1 指標:Indicator 4.2 注目点 4.3 ハイライト 4.4 銘柄検索 4.5 戦略プログラム 4.6 戦略:売買方法について 4.7 戦略:オーダーの引数説明について 第5章 関数の使用例 5.1 株価と移動平均線のCrossOver戦略 5.2 2本の移動平均線(短期・長期)を利用したCrossOver戦略 5.3 3本の移動平均線(短期・中期・長期)の並び順による売買条件 5.4 RSI(期間14日)による売買 5.5 任意の価格をブレイクアウトしたときの戦略 5.6 価格が指定価格よりも高いか安いかで売買する戦略 5.7 ロスカット戦略 5.8 目標収益条件 5.9 目標収益&ロスカットの条件設定 5.10 目標収益&ロスカットの条件設定(注文関数を利用した場合) 5.11 エントリー後の変動幅が少ない場合にポジションを解消 5.12 始値からのある一定幅をブレイクしたときの売買戦略 5.13 終値の推移&ローソク足による戦略 5.14 移動平均線の向きによる売買戦略 5.15 N日連続上昇時に買い 5.16 エントリー条件を複数用意した場合 5.17 3つの移動平均線(5、10、20日)の順序をフィルタとして利用 5.18 30分ブレイクアウト戦略 5.19 ある時間以降のみ売買を許可したい場合 5.20 ある指定時間のみ売買を許可したい場合 5.21 終値との上下関係で移動平均線の色を変更したい場合 5.22 RSIの数値によって色を変化させたい場合 5.23 ギャップアップ・ダウンした足をハイライト表示する 5.24 足と移動平均線の位置関係でハイライト表示する 5.25 条件発生回数を指標にする場合(ゴールデンクロスの場合) 5.26 マルチチャートのデータを利用した移動平均線描画方法 第6章 プログラム実践編 6.1 ブレイクアウト戦略とRSI戦略を組み合わせた例(Ver. 1) 6.2 ブレイクアウト戦略とRSI戦略を組み合わせた例(Ver. 2) 6.3 RSIとVRと乖離度を利用した例 付録1:使用頻度の高い関数の説明 付録2:サンプルプログラム サンプル:「戦略」プログラム サンプル:「指標」プログラム
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