著者は一目山人(いちもくさんじん)、私の祖父にあたる。出版は経済変動研究 所、山人の個人的研究所であり、この『第一巻』をはじめ「一目均衡表七部作」 と呼ばれる「原著」は、すべて山人の個人出版である。
祖父の経済変動研究所は、父の代に株式会社 経済変動総研として新たな出発を し、現在、孫の私が一目均衡表に関する責を担っているのであるが、今回改めて 一目均衡表の価値を世に問う機会を得た。
相場関係者で「一目均衡表」の名称を聞き知らぬ人は稀であろう。一般にも広く 認知され、海外でも注目される一目均衡表は、はたしてどれだけ有効に活用され ているのだろうか。
一目均衡表を日々目にするという方は多い。しかし均衡表が何を意図して作成さ れ、それぞれが何を意味するものか真剣に整理しつくす人はまれである。
一目均衡表の「本質的意味」を理解しようと思えば、一目山人の著作に触れるの は当然だ。ところが、それすらせずに均衡表はこういうものだ、と結論を下す人 も多いのである。
一目均衡表はその名のみが広がってしまった感がある。本質から離れた“利用” がされている現実を私もこれまで目の当たりにしてきたが、2008年のごとく典型 的な相場の崩れに対処できなかった人が多かった理由のひとつは、ここにあるの ではあるまいか。
一目均衡表のみではない、罫線に対して、相場変動に対して、理解が足りぬか、 理解の仕方そのものが間違っていたからである。
すでに出版から40年を経過する原著が均衡表の浸透に比して広がりを見せぬ理由 は何だろうか。
私が本書で試みたのは、まず原著作者、一目均衡表考案者の立場から一目均衡表 について解説することである。敷居を低くし、かつ分かりやすい説明を心がける よりもむしろ、馬鹿正直に原著をたどり続けた私の理解の道筋をたどっていただ けるよう心がけた。
少なくとも一般に広まっている均衡表の誤解を解き、読者にとって具体性のある 道具をつくりあげるためのヒントにはなろう。何よりも原著と長年格闘し、なか なか結果につながらない読者に対しては必ずや研究の一助となると信じるもので ある。
これまでの、また近年の一目均衡表の一般化に対しては、継承者として放置し続 けるわけにはいかない。父が形式上、二世一目山人を名乗ったように、私もまた 本書の発表では三世一目山人を名乗り、一目山人正統の一目均衡表をご紹介した いと思う。
(本書「はじめに」より抜粋)
株式会社 経済変動総研 一目均衡表公式ホームページ
はじめに 『第一巻』まえがきより 第一部 基礎理論編
1.一目均衡表の基本的考え方
2.カギ足と一目均衡表
3.一目均衡表の相場変動論
4.一目均衡表各線の意味
5.一目均衡表の型
6.一目均衡表の手引き
7.トヨタ自動車均衡表
8.月足で見る日経平均株価の変遷 |
第二部 復習編
1.一目均衡表の本質
2.原著について 第三部 その後の日経平均株価
1.07年8月〜08年2月
2.08年7月〜9月(ラジオNIKKEIコメント)
3.08年10月5日付記事より
4.08年10月12日付記事より
5.08年10月19日付記事より 6.08年10月28日安値以降の変動 あとがき |
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