目標が達せられるプロセスは暗闇の中で育まれるのです

謎に包まれた、成功への普遍の真理。それはごく当たり前のこと。
「"心に思い描かなければ"達成されることはない」

【内容抜粋】
あなたが、この法則の力を十分に引き出せるようになれば、あなたが心に描いたものを実現するのに、お金も友人も有力者も必要ではありません。
あなたが銀行家だろうと、事務員だろうと、あるいは靴磨きだろうと関係ありません。この法則は人や地位によって差別したりしません。あなたの望みが今のあなたの仕事と直接結びついているかどうか、あるいは、今していることから百八十度変わる必要があるかどうかも関係ありません。
あなたは、今よりよくなりたいというだけで、人生における具体的なプランを持っていないかもしれませんが、この世においてただ望んでいるだけではどこにもたどり着くことはできません。まずは明確な目標を見つけて、心の中にしっかりと刻みこむことが必要です。
じっくりと考えた末にあなたは最高の目標を1つ決めます。おそらくその目標は手の届きそうもない遠くに見えるでしょう。しかし、必ず達成することができます。

目標を達成するための道筋は、種が芽を出すプロセスにとてもよく似ています。
真っ暗な土の中に埋められた種は、その小さな体の中に成長したときのイメージを持っていて、それを正確に表現して現実のものにしようとします。そして、定められた法則に従い、光に向かって芽を伸ばし始めます。同時に、養分を求めて根を下に張りだします。芽が上に向かう途中で何らかの障害物にぶつかると、それをどかそうとはせず、迂回して進みます。根が必要な養分を見つけられなかったら、その植物は枯れてしまいます。
何もかもがうまくいけば、花を咲かせ、目標が達せられます。すると、再び種が土の上に落ちて、同じことが繰り返されます。

目標に向かって進んでいるときに、その途中経過を横目でちらちらと観察したほうがいいでしょうか？
どんなふうにいってるんだろうか、本当にうまくいくんだろうかと確かめるべきでしょうか？
そんな必要はありません。あなたは目標を決めたのです。つまり、種をまいたのです。種をまいた後で、本当に芽を出すかどうか確かめようとして、庭を掘り返したりはしないでしょう？
種をまき、水をやれば、自然の法則に従って種は芽を出します。それと同じで、あなたの目標が実現するのを妨げるものはありません。

あなたは種となる考えを心の中にまきます。そしてしっかりとそれを心の中に保ちます。それに栄養分を与えます。それであなたの役割は終わりです。

訳者序文より

本書が世に出たいきさつは謎につつまれています。1929年にカリフォルニアプレスという版元から出版されたのですが、その版元はすでに存在せず、作者についてもジョン・マクドナルドという名前以外は分かっていません。
こんな謎につつまれた本書ですが、出版から80年近くたった今でも再版され読まれ続けているという一事をもってしても、その内容の素晴らしさがうかがえます。

本書の主張はとてもシンプルで力強いものです。乱暴に要約すれば、「心のありようがその人の人生を決める」とでもなるでしょうか。「心のありよう」というのはどうあるべきなのか、具体的にどうすればいいのかは本書をお読みいただくとして、本書のよい点は、理論を説くだけではなく、それをどう応用すればいいのかを、具体的な手法を交えて、誰もが取り組めるような形で提示していることです。

科学的裏づけがあるとまでは言えないにしても、理論の背景にはきちんとした理屈があって、それが本書の信頼性を増しています。

目次

訳者序文
読者のみなさんへ

【第1部 マスターを探せ】
第1章 地獄から帰ってきた男
第2章 救世主との出会い
第3章 船の上のレクチャー
第4章 誰にも話してはならない
第5章 必死の探索
第6章 マスターの家にて

【第2部 マスターの教え】
第1章 素直な気持ちで受け止めてください
第2章 心に描いたイメージは必ず現実になります
第3章 人間の本質は「心」です
第4章 心には「内なる心」と「外なる心」があります
第5章 明確な目標を持ちなさい
第6章 このことは誰にも話してはいけません
第7章 心の絵はこんなふうにして描きましょう
第8章 心に栄養を補給しましょう
第9章 その目標は必ず達成できます
第10章 服従せよ、ここでは私が主人だ

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