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『不況でも「上がる株」が見つかる』

大竹愼一/山田清一
フォレスト出版
四六判 269頁
2001年5月発売
1,700円+税

今回コメントくださったお客様は 小泉 秀希さん です
Q1 オススメ書を教えて下さい。

 仕事柄ということもありますが、私自身株式投資が大好きで、投資、経済、経営関係の本はよく読みます。そうした中で、昨年最も感銘を受けた本はファンドマネージャーの大竹愼一さんと、素材株アナリストの山田清一さんの共著である『不況でも「上がる株」が見つかる』(フォレスト出版)です。
 私自身は長期投資志向ですので、景気循環に関係なく成長していくような質の高い銘柄を探して投資していくのが理想です。しかし、現実問題として、どんなに質の高い銘柄といえども、株価動向は景気循環の影響を受けます。特に、ハイテク株は一回の景気循環で50%程度は平気で上下してしまうのが実情です。「長期的に成長する株だから株価を気にせずに買えばいい」というのも1つの理屈ですが、株価が1万円よりも5千円で買った方が2倍の株数を仕込めるわけですから、できるだけ景気循環を見極めてボトム近辺で買いたいものです。しかし、分かってはいてもなかなかそれが出来ません。
 この悩みは多くの投資家が共有するものだと思いますが、それに対して1つの明確な答えを出してくれているのがこの本です。

 この本では、長年素材株のトップアナリストとして活躍してきた山田清一さんが、景気循環をどう見極めて投資タイミングを計るかを研究してきた成果をわかりやすくまとめて解説してくれています。具体的には、在庫と出荷の動きに目をつけて「在庫循環モメンタム」という独自の指標と、それにより売買タイミングの見極めるノウハウが提案されていますが、これが非常に理に適っていて、しかも実践的なノウハウです。景気循環というものがなぜ起こるのかという原理から納得しながら、ノウハウを実践に移せるように解説されています。実際に、この本の内容を理解していれば、昨年(2001年)の9〜10月には、優良ハイテク株を底値圏で自信をもって仕込めたはずです。
 この本で説かれているノウハウはファンダメンタルズ的な技法ですが、テクニカル派の人の琴線にも響くような「美しさ」をもった技法でもあります。短期派、長期派問わず、また、テクニカル派、ファンダメンタルズ派問わず、すべての投資家の方に一読をお勧めしたい本です。

Q2 5点満点で採点すると?
読みやすい	★★★★
知識がつく	★★★★
おもしろい	★★★★
儲かる		★★★★
専門的		★★★
総合オススメ度	★★★★★

小泉 秀希さん 株式ジャーナリスト

1967年生まれ。東京大学教育学部卒業後、日興證券を経て、投資顧問会社等で企業調査などを担当する。現在、『ダイヤモンドザイ』(ダイヤモンド社)、『日経ネットトレーディング』(日経BP社)に株式関連の記事を執筆しているほか、個人向け投資顧問の企業調査協力もしている。投資情報サイト「キッチンカブー」では毎週水曜日に連載中。個人的にも株式投資が大好きで、「マイファンド」と「一生銘柄」を着々と育成中。その実践に基づいた投資レターも発行している。
ありがとうございました。

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