1970年代、ペリー・カウフマンが自動化システムでトレードを始めたとき、プロのトレーダーたちは「バカバカしい」と一笑に付した。しかし、今や高頻度トレードは「一般投資家からお金を盗んでいる」として、その不公平なまでの優位性を非難されるまでになった。本書で公開されたアルゴリズムトレードのテクニックを習得すれば、ホームトレーダーのあなたにもパワーを取り戻すことができるだろう!
プロのトレーダーにとっても、自動化システムの完璧化を目指すマネーマネジャーにとっても、あるいは今日のテクノロジーを使って財務管理を試みる一般投資家にとっても、成功するアルゴリズムトレードシステムの洗練された構築方法を、簡単なハウツー形式で提供するこのコンパクトなガイドは大いに役に立つはずだ。本書は、バックテストの単なるステップバイステップの枠を超えて、あらゆるタイプの市場を40年以上にわたって練り歩いてきた著者の幅広い経験から最良のものを抜粋して、読者にトレードの神髄を伝授してくれる。トレードで成功するためには、利益の出るところで売買するだけではダメで、正しいトレード法を構築してリスクを管理できなければならない。信頼の置けるトレードシステムを一から構築するために、実績のあるこのガイドラインに従うことで、必要な理論はもとより、歴史的観点を見据えたうえで、システムを自信とテクニカルなノウハウに基づいて構築し、あなたのパラメーターやリスクに合わせて微調整することができるようになる。
本書で最も重視するものはシンプルさである。基本的なベストプラクティスから実際のシステム設計に至るまで、簡単なアプローチのほうが人々に好まれ、勝利を収めることが実証されている。アルゴリズムシステムは実際に市場で使うと失敗することが多い。本書では、失敗の原因となる落とし穴にはまらないように、勝率を大幅に高めるためのプロセスを紹介している。本書を一度読めば、それはあなたの一部になる。だから、何度も読み返したくなるだろう。
トレーダーとして洞察力を磨き、その洞察力を利益の出る戦略に変えることから、トレードを生計手段とするうえで直面する現実的な問題に至るまで、第一線で戦ってきた40年以上に及ぶ経験を惜しげもなく披歴し、エキスパートと戦えるまでの近道を教えてくれるのが、アルゴリズムトレードの最高傑作ともいえる本書である。
「多くの著者が曖昧にするような点を、カウフマンは非常に分かりやすく説明している。トレードを成功に導くための重要な要素に焦点を当てた本書は、アルゴリズムトレードを始めたばかりのトレーダーにとっても、経験のあるトレーダーにとっても、必携書であろう。勝率を高め、詳細に注意を払い、メカニズムを複雑にしすぎるな……。カウフマンのガイドラインに従えば、成功すること請け合いだ。ありがとう、ペリー」――スタンリー・ダッシュ(公認テクニカルアナリスト、TradeStationのApplied Technical Analysisのバイスプレジデント)
「私はカウフマンを25年前から知っているが、彼と話をしたことはなく、著書を読んだこともないが、彼からは何か価値のあるものを感じる。本書も例外ではない。本書はコンパクトながらも、『有言実行』の人物からの、そしてアルゴリズムトレードの必要性を説く人物からの実用的な情報が詰まった本だ。まずはここから始めてみてはどうだろうか」――ロバート・パルド(パルド・キャピタルの社長、『トレーディングシステムの開発と検証と最適化』『アルゴリズムトレーディング入門』の著者)
監修者まえがき 謝辞 第1章 簡単なまえがき――基本ルール
第2章 アイデア
第3章 複雑にするな
第4章 アップルだけをトレードしているときに、なぜ「堅牢さ」を気にしなければならないのか
第5章 少ないほど良い
第6章 トレンドフォロワーは利食いや損切りは使うな
第7章 短期トレーダーは利食いせよ
第8章 完璧なシステムを求めて
第9章 機会均等トレード
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第10章 検証――人生の分かれ道――重大な選択 コンピューターに解決させる 結果をどう評価するか フィードバックとは何か 隠された危険性 忘れられた歴史 真のコストを使え ダーティーデータを使え バックアジャストデータと株式分割調整データ 異なるパフォーマンス測度 レシオの解釈 だれもが情報レシオを使うわけではない トレード数 期待値
第11章 降伏させよ
第12章 先物についてもっと詳しく
第13章 悪臭を放つリスクはいらない
第14章 ポートフォリオのために最良の株式と先物を選ぶ
第15章 銘柄に戦略を合わせる
第16章 トレンド戦略の構築
第17章 日中トレード戦略の構築 第18章 まとめ 参考資料 |
いずれにせよ、本書のように、個別のトレード戦略の詳細ではなく、それらを構築するための方法論について書かれた書籍は数が少ない。それでも欧米人の手によるものはいくつか見られるが、日本人によって書かれたものは皆無である。思うに日本の投資家(機関投資家を含む)は、「どの銘柄を買えばよいのか?」とあちこち聞いて回るというナイーブな状態をやっと脱し、ようやく「どういった投資手法が優れているのか?」を探す段階に達したレベルなのではないかと思量する。これがさらに進んで、「投資戦略のデザインにはどのような考え方・思想・哲学が必要か、そしてそれを実践するための方法論とは何か?」が問題として意識されるには、まだまだ時間がかかるのかもしれない。(つづきを読む)
(ウィザードブックシリーズ244)
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