江戸川乱歩の不朽の名作、少年探偵団シリーズ
名探偵・明智小五郎と共に小林芳雄少年率いる少年探偵団が怪人二十面相の悪事をあばいていきます。
シリーズを追うごとに仲間を増やし、数々の事件に巻き込まれながらもアイディアと行動力でのりこえ、
変装や魔法のようなトリックを見破って怪人二十面相を追いつめていく冒険物語です。
少年探偵団シリーズは人気作品となり、ラジオや映像化が次々と制作され、数多くの作家に多大なる影響を与えています。
内容紹介
ある日の夕方、勇敢な井上少年と少し臆病な野呂少年が不思議なものを見つけた。
オート三輪を小型自動車に改造し、白いスクリーンを付けた移動映画館だ。
道化師が映画の説明をしたりお菓子を売ったりしていたが、二人は何だか怪しく思い後をつけた。
しばらくついて行くと、大きな神社の森の中へ入っていった。
二人はその場を離れようとしたが遅かった。
道化師は魔法博士と名乗り、二人を悪魔の国へ連れ去ってしまった。
二人は奇妙な屋敷へ閉じ込められ、そこで魔法博士は黄金色の怪人へと姿を変えていた。
魔法博士は自らをどろぼうだと言うが、宝石や絵画などではなく、盗むものは人間だという。
そして二人に宣言した。
「わしは名探偵・明智小五郎を盗み出す」
それと時を同じくして、少年探偵団の不二夫少年の元にも黄金色の怪人が現れた。
黄金怪人は不二夫少年の家にある「グーテンベルクの聖書」を盗み出すと予告し、体をどんどん小さくして姿を消してしまった。
不二夫少年は小林少年に連絡すると、仲間数人を連れて駆けつけてくれた。
だが奇妙なことにその中に井上少年と野呂少年の姿が・・・。
二人は逃げ出せたのだろうか?
しかし誰も二人のことを気にする様子はなく、予告通り黄金怪人は現れてしまう。
聖書事件から数日後、小林少年は井上少年と野呂少年の情報を受け黄金怪人を追っていた。
だが気が付くと不気味な場所へ導かれており、魔法博士の手の内へ落ちていた。
悪魔の国の奇妙な歓迎を受ける三少年は魔法博士のとりこになってしまうのか?
そして本当に明智探偵は盗まれてしまうのだろうか?
魔法博士が仕掛ける摩訶不思議な魔法を見破り、小林少年たちは脱出出来るのか!?
※ 本作品は発表時の時代背景により、今日の社会では一般的でなく、
不適切と思われる表現が含まれている箇所がございます。しかし作品の
オリジナル性を尊重し、当時のまま忠実に再現することを優先いたしました。
江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)
日本の推理小説家。1894年10月21日生まれ、三重県生まれ。筆名は、19世紀の米国の小説家エドガー・アラン・ポーに由来する。数々の職業遍歴を経て作家デビューを果たす。本格的な推理小説と並行して『怪人二十面相』、『少年探偵団』などの少年向けの推理小説なども多数手がける。代表作は『人間椅子』、『黒蜥蜴』、『陰獣』など。1954年には乱歩の寄付を基金として、後進の推理小説作家育成のための「江戸川乱歩賞」が創設された。
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