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日経225の傾向と戦略
詳細は右の本動画を御覧いただきたいのですが、簡単にまとめをすると 日経225先物の特徴について
上記の傾向を押さえた上で、ご紹介したストラテジーが 【日経225先物寄り付きショートシステム(後場寄り付き決済)】 <ルール>というものであった。
下図がそのパフォーマンス(1999年3月1日〜2008年12月1日まで)
トレード回数は約1,200回、プロフィットファクターが1.33、1トレード当りの平均利益が9.94円の取るに足らないシステムである。ただし、累積損益曲線は右上がりであり、もう少し良いシステムになりそうだ。 ここから例えば、どんなことを考えることができるだろうか? ■曜日効果 ラリー・ウイリアムズ氏の書籍に詳しいが、彼は曜日ごともしくは営業日ごとのバイアスを検証し、その市場独自の特性を見出そうとする。例えば、曜日ごとにロングが有利、ショートが有利等の特性を見出し、有利な日にのみトレードを行う。これに基づいて上記のシステムを検証すると月曜日のパフォーマンスが非常に良くないことが分かった。そこで、日経225先物寄り付きショートシステムは月曜日以外の日にトレードを行い、月曜日はトレードを行わないこととする。そのパフォーマンスが下図の通りである。
当然、トレード回数は1/5程度減少するが(970回程度)、プロフィットファクターは1.55になり、1回当りの平均利益は15.30円になった。累積損益曲線も右上がりの状態がさらに滑らかになっている。 ■前日バーとの比較 さらに数日間の日足パターンを利用してフィルターをかけてみよう。これもラリー・ウイリアムズ氏の書籍に様々な検証例が載っているが、ここでは単純に前日の高値と当日の始値との位置関係を分析することでトレーディング・パターンを見出すことを試みてみる。
【検証例】 日経225先物寄り付きショートシステムは寄り付きにGAPアップを条件としていたが、始値が前日高値を上回っているのか、下回っているのか、で投資家心理は大きく異なるだろう。当然、前者のほうが市場は強い状態が想定できる。では、この状態(つまり、始値>前日高値)の時にショートするとどうなるか。。。。結論は、パフォーマンスが良くなる。下図がそのパフォーマンスである。
トレード回数はさらに半分ほど減少する(460回程度)が、プロフィットファクターは1.70、1回当りの平均利益は18.14円とさらに改善する。 投資家(大衆)心理から考えると、市場は上にブレイクアウトしたようにも感じられ、強気の展開になりそうだが、実際には寄り付きの高いところでショートしたほうが利益が出るのである。 過去の価格を分析・検証することで、いろいろなマーケットの特性を知ることができる。 私の場合、システムを構築する際には移動平均やオシレーターといったテクニカル分析指標をほとんど利用しない。ほぼ全てのテクニカル指標はパラメータを変更することが可能であり(例えば、20日移動平均線を30日移動平均線に変更することでシステムのパフォーマンスが変わったりする)、うまく利用しないと過剰最適化(過去にのみ都合の良いパラメータを選択してしまうリスク)につながる可能性があるからである。これをなるべく小さくするために、誰もが必ず見ているもの(つまり、前日の高値であったり、終値、安値、または曜日等)をシステム構築に利用したりする。 これが必ずしも正しいとは限らないが、上記のような過程を通して“使えるシステム”に仕上げていく。 「1月24日の講演」でも、上記のような過程をご紹介しながらシステム構築の考え方や日経225先物市場の特性等に触れていくつもりである。
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